こんにちは、らむねこ(@ramuneko96)です!
”自分が他人の重荷になっていると思い込んでいるすべての人たちへのラブレター”として制作された『What comes after』。
本作品は、2020年1月に配信されたノベルゲーム『コーヒートーク』の作者が手がけた短編アドベンチャーです。
短いボリュームながらも心温まるストーリーを楽しめるということで、さっそくレビューしていきます!
- さまざまな生き物との会話がメインの横スクロールアドベンチャー
- 人生のヒントになるような哲学的な言葉にハッとさせられる
- 短いボリュームでサクッと遊べる
さまざまな死者と会話を楽しみ、十人十色の人生を知る
『What comes after』 は横スクロールゲームで、非常にかんたんな操作で会話をしていくだけ。ストーリーはまず、電車に駆け込み乗車するところから始まります。
車内の人々のつぶやきを横目に移動し、席に座った主人公ビビはいつの間にか眠りの世界へ。目覚めるとそこは異様な雰囲気の車内に変貌し、死者をあの世へ送る電車になっていた……。
本来乗っていはいけない電車に紛れ込んでしまったビビは、いるべき世界へ戻るまでのあいだに、さまざまな事情で生を手放した人たちと会話していきます。
ここから出せと怒る人、亡くなる前の行動を悔やむ人、先だった妻と再会できることに喜ぶ人など。
当たり前ですが、人によって考えていることが全然違うし、いろんな人生を垣間見れるのはなかなか面白いです。
しかし会話するのは人間だけでなく、なんと動物や植物とも言葉を交わせるのがビックリ!
食物連鎖にあらがえなかった鹿、開花前に引き抜かれてしまったお花といった、普段は想像もしないような生き様を聞ける貴重な時間をすごせます。
人生を考えさせられる深いおはなしの数々
一文一文がかなり短いのでサクサクと聞いていけるんですが、それぞれの会話が深~い内容で考えさせられるんですよ。
「選べるなら生きることを選べ、そのほうが価値がある」
「失って初めて、自分が持っていたもののありがたさを知る」
もういちいち考えさせられるもんだから、このゲームは哲学書なのではと錯覚してきます(笑)
自分の生きざまをはっきりと客観視するのは、なかなか難しいもの。
ですが、さまざまな人との会話を通して、ふだん悩んでいることのヒントを得られたり勇気づけられたりと、なんだかホッとするような感覚がありました。
死を扱うのにほんわかとした空気感
「死」の側面を堂々と出した本作は、とっても怖くて……なんてことはまったくなく、むしろのんびりほっこりするような雰囲気があります。
たしかに一部ネガティブな表現もあったりしますが、みんな話し方は普通で淡々としているし、まるで”死は特別ではなく日常的なもの”と捉えられるような不思議な感じがありました。
なので、怖さはゼロ。ホラーゲームではないので、怖いのが苦手な人でもご安心を!
ところどころ分かりづらい表現がある
『What comes after』はSteamで2020年11月に配信されたゲームです。Steam版は日本語非対応ですが、約9か月後に日本語サポートがあるSwitch版で登場しました。
ゲームを遊ぶプレイヤーが多くなるのはいいことなのですが、文章がちょっと分かりづらいな……と思う部分も。
お話の一文はとても短く読みやすいですが、英語を無理やり訳したような場面(表現)が何度かあって、分かりにくい箇所がありました。
英語ならではの独特な言い回しを、そのまま日本語にしちゃったような印象ですね。
といっても、少し考えれば「言いたいことは多分こういうことかな?」となんとなく分かるので、完全にイミワカラナイ状態ではありませんが。
ところどころ、スラスラと読めない場面があったのは気になっちゃった
短いボリュームで、物語はかなり薄味
初プレイでクリアまでにかかった時間は、およそ一時間ほど。
哲学のような深い内容の会話を楽しめるものの、主人公ビビの物語は薄くとてもあっさりとしているため、少し物足りなさも感じました。
ただ本作には会話ログがあるので、ある程度は読み返したりじっくりと考えたりできます。のんびりと文章を楽しみたい人にはいいかもしれません!
【まとめ】人生に疲弊気味の人は『What comes after』でヒントを得よう
死者を運ぶ電車にまぎれたことから、人や動物、植物とさまざまな会話を展開していく『What comes after』。
サクッと終わってしまう短いゲームですが、なんだか心が晴れない、悩み事で心がもやもやしている人におすすめの作品です。
明日の活力を少しでも得たい方はぜひ!
- メーカー:コーラス・ワールドワイド
- 価格:ダウンロード版:770円(税込)
- ジャンル:アドベンチャー
- 配信日:2021年8月19日
- 対応ハード:Nintendo Switch、Steam(日本語非対応)
- アクセス:マイニンテンドーストア